この記事を読む方の中には飼育員を目指して奮闘中だったり
今は漠然としているけど飼育員になりたいと考えている人がいるのでしょうか?
今回は、動物園の飼育員になる前に必ず通る採用試験について掘り下げています。
動物園の応募要項に必ず記載されていること
日本動物園水族館協会に加盟している施設に限定してお伝えします。
(1)大学(院)・短大・専門学校を卒業または卒業見込み
(2)生物に関する学部や専攻等で専門的な知識を修得した者
(3)野生生物の保全に取り組む意欲がある者
学歴は、大学や専門学校を卒業または卒業見込みがある人からを条件としています。
大学は卒業しているけど生物に関する学部ではなかったことから
書類審査で不合格をもらったことがある人の話しを聞いたことがあります。
書類審査を実施している所は書類で合否の判断をする必要があるので、生物に関する学部外を卒業された方は書類審査が難関かもしれません。
私が働いていた2カ所の動物園では、高卒で就職した人が何名かいました。
どの人も今ではベテラン層なので、昔は就職できたということですね。
今でも高卒で動物園に就職した話しは聞きますが、恐らく一部なのではないでしょうか。
採用試験の内容
通常、6月~3月頃に求人が出ます。
【公立動物園】書類審査→筆記試験→一次面接→二次面接→三次面接
多いところでは、四次面接まであります。
【民間動物園】書類審査→筆記試験→面接試験
筆記や書類が実施されない施設もあります。
たまに実習試験を実施するところも。
施設によりますが、中途採用の場合は公立でも書類審査と面接試験のみ実施するところが多いです。
施設から予期せぬ欠員が出た場合は、欠員分を補う必要があります。筆記試験を実施する時間よりも欠員補充が優先なのかもしれません。
(1)書類審査
公立動物園
・エントリーシート(指定)
・直筆作文(指定・テーマ記載あり)
・職務経歴書(形式自由)
採用要項をご覧になったことがある人はご存知だと思いますが
公立動物園は書類形式を指定していることが多いです。
採用要項を見たことがない人は検索して
過去のエントリーシートがどのような形式か目を通しておくことをお勧めします!
民間動物園
・エントリーシート(形式自由)
・職務経歴書(形式自由)
民間動物園は形式自由の場合が多いです。
書類作成で簡易的なのは圧倒的に民間動物園かなと思います。
(失礼なこと言ってたらすみません)
特に履歴書の指定が無い場合は、自分で好きな形式を選ぶことができます。
だからと言って志望動機を書くスペースがめちゃくちゃ狭いと、受取手としては
「少ない・・」「判断が難しい」なんて思ってしまうかも。
書類作成にあたって
職務経歴書は書き方を検索して調べてください。
職務経歴書・履歴書は市販(コンビニ/雑貨屋など)のものだと簡易的すぎるので
あまりお勧めしません。
『職務履歴書 ダウンロード』
『履歴書 フォーマット』
など検索すると企業や一般の人が提供するファイルをダウンロードできるので、充実したものを見つけて書類を作成していきましょう。
公立動物園の書類は書くことが盛り沢山なので、添削も入れると完成までに時間がかかります。
文章を書き慣れている人でも時間をかけながら何度も書き直しをするので、普段から文章を書くことに慣れていない人は自主的に対策をしても良いかもしれません。
- 起承転結をつけた文章作成に慣れておく
- 動物園の仕事に対する理解を深めておく
→あなた自身の考えを書類に盛り込むので
普段から飼育職に対する持論を持っておくと良いかも。
公立と民間の違いについては下記の記事をご参考ください。
(2)筆記試験
筆記試験を実施している施設のほとんどは
・一般常識
・専門試験
・小論文
・適性検査
のいずれか、もしくは全てを実施しています。
一般常識は地方公務員(初級)をベースに勉強してください。
この動物園は◯△□という問題集に載ってる問題が出題される!
なんて情報もたまにあります。
専門試験は飼育ハンドブックから出題されます。
1~5冊あるのでこれ全部覚えるのか!なんて思ったことがありました。
専門学校であれば飼育ハンドブックを教科書にして授業を受けることができますが、大学生は個人で勉強しないといけませんね。
小論文は時間制限があるのでよっぽど自信がある人以外は、時間以内にかき終えるための対策をしておいた方がいいです。(絶対!!)
適性検査は能力テスト・性格テストが王道だと思います。
能力テスト・・図表の読み取り、四則計算、論理的読解、長文読解など
性格テスト・・質問に直感で回答していく
適性検査の対策は、能力テストだけでいいと思います。
性格テストは対策というよりはどのように出題されるかをなんとなく知っておく、くらいで十分です。
(3)面接試験
こればかりは、センス型と努力型に分かれる気がします。
センスがある人でも面接練習をしてもらい客観的な意見をもらいましょう。
自分一人で練習するなら鏡の前で!
あとは、動画を撮って表情や姿勢を確認する方法もあります。
ちなみに私はセンスもなく努力もしませんでした。
怠惰からというよりは、超がつくほどの緊張しいなので練習を重ねるほど出来が悪くなっていくからです。笑
なので面接試験で手応えを感じたことはありません!
公立動物園の面接での小話
面接官「動物のことを何も知らない人に向けて、1分間動物の解説をしてもらえますか^^」
私(ひえーーーーー!きた!!)
静かな部屋に椅子一つポツンと置かれた正面には面接官がいて、、
どうぞ緊張してくださいって雰囲気が漂いまくっているような。
それなら一緒に園内周って解説させてもらった方がよりリアルでは
って緊張しいは思うんですね。
や、超言い訳ですこれは。
「1分間で動物解説お願いします」は過去問で把握していたのでなんとなく準備はしていました。
過去問を入手できるようであれば目を通しておくといいかもしれません。
試験対策以外にやって損しないこと
これまで書類・筆記・面接試験について述べてきましたが、試験とは直結しないことを伝授します。
恐らく知っていても行動に移す人は少ないのではないでしょうか。
動物園や水族館のHPを見ていると、シンポジウム・講演会・SAGA等の開催お知らせが載っています。
そこでは、研究者・飼育員・園長・動物関連に携わる人などが動物に関するテーマについて、一般公開のもと講演や発表をします。
現役飼育員にとっては様々な考え方、技術を知ることができる絶好の機会なので全国から参加します。
動物以外にも展示・保全・フィールド調査・・いろいろな講演があります。
ほとんどの集まりは一般参加OKなので、学生のうちから多くの考え方に触れてみてほしいです。
学校では教わらないことを学ぶことができます。
参加しても、しなくてもマイナスになることはないです!
学校の授業だけで臨んだ採用試験で内定をもらうことはできます。なので、行くか否かは自由です!
【小話】
私は周りの生徒より劣っていることがわかっていたので、考え方で差を付けてみようと思いました。
しかし授業だけでは知識の質に限界があるので講演会や研究発表の場へ行き、多くの情報に触れることを意識していました。それとたまに読書。
初めは「講演会?お堅そうやな」と興味が薄かったです。
友人から誘ってもらったことをきっかけに行くようになりました。(感謝!)
講演会の内容をもとに、意見交換し合っていたのも刺激的で面白かったですね。
あとは単純に授業よりも講演内容の方が吸収できました。(私は)
また、こういう場所には動物園・水族館・牧場で働く飼育員さんがいらっしゃいました。
勇気を出して話しかけてみるのも人脈を広げる手段の一つですよね。
学校というコミュニティを抜け出し、別世界で過ごしている人と話すことはとても刺激的ですよ。
学生時代ep
私が就職したいA動物園で働く職員さんを、たまたま遊びに行ったB動物園で見かけました。
私からしたら芸能人のような方で、
もちろん職員さんは私のことを知りません。
でも、A動物園のことを聞きたかったので
思い切って話しかけましたw
職員さん、一瞬驚いていましたが快く質問に答えてくださいました。
そしてA動物園の採用試験で、その時のエピソードを話したところ
「ここが好きなんだね」と言われたことを覚えています。
ちなみに面接では一つヘマこいて。
面接官「本は読みますか?」
私「はい。最近A動物園が出版した
@@@という本を読みました」
園長「あれは本じゃなくて写真集だな」
私「あ・・」
(緊張しすぎて本の名前間違えたわーー)
ですが無事に内定をいただいたので、A動物園関係が主催する講演会に行ったこと
職員さんに話しかけてみたことに対して良い印象を抱いてもらったのでは・・と思っています。(自意識過剰です)
あと、単純に人員が足りなかったのかな笑
私は友人たちよりそれほど試験を受けていないので、試験の基本的なことしかお話しできませんでしたね。
「@@@動物園のことが知りたい!」
という気持ちがあればDMまたはお問い合わせフォームへ。
Twitter:@keeper_website
まとめ
- 動物園の就職を目指すなら、大学・短大・専門にて生物に関する学部/専攻を修得しておく
- 公立と民間とで試験対策は多少異なる。
(過去問が手に入るなら目を通しておきましょう) - 小論文は時間以内に書けるようにしておく
- 筆記試験は、頑張れ
- 面接練習は、客観的な意見をもらえるからやった方がいい。
あれ、緊張しますよね。度胸をつける練習でもあるかも.. - 講演会や研究発表の場では、授業で習わないようなことを学ぶことができる
#みんなに幸あれ
#ははw
今日の一冊『動物翻訳家』
『動物翻訳家』著者:片野ゆかさん
現場で働く飼育員の日常を文字におこしていて、飼育動物に対する想い、ドラマがびっしりつまっています。
感受性が強い私の眼からは涙がボーロボーロでした(笑)
中古もあるので、ぜひ読んでみて欲しいです。図書館にも置いてあるかも!
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