動物園実習は就職活動に欠かせませんよね。
現場の雰囲気や仕事内容を体感しないことには、
飼育員という職業への具体的なイメージが掴めません。
今回は動物園実習での大切なポイントを4つ紹介します。
私の経験や当時の同僚から得たポイントですが、
基本的なことを紹介するので参考にしてもらえたらと思います。
それでは印象に残すための大切なポイント4つを見ていきましょう!
①動物園実習中の挨拶
一般的に第一印象は、3~5秒で決まると言われています。
視覚情報 | 聴覚情報 | 言語情報 |
服装・髪型・表情・態度 55% |
声の大きさ・話し方・声質 38% |
話しの内容・表現 7% |
実習初日に現場の方へ挨拶をします。
「◯◯学校(大学)から来ました。山田です。」
この時の表情や声の大きさは表から見て取れるように、第一印象を大きく左右します。
私は緊張しやすい体質なので挨拶がとてもプレッシャーでした。
就職を希望する施設への実習だと余計に。
ですが、現場の立場になって実習生の挨拶を見て感じたことは
笑顔がひきつっていても、ガチガチに緊張していても、「緊張してるな」「可愛いなあ」
くらいにしか思いませんでした。
なので、緊張しいの皆さんは上手く挨拶ができなくても
言葉遣いがごちゃごちゃでも問題ありません。
大切なのは、意欲を伝えられるかです。
緊張と縁遠い人は、いつも通り元気よく挨拶してください。
そして実習期間中の挨拶は欠かさないようにしましょう!
飼育員時代に、すれ違うたび笑顔で「お疲れさまです」と声をかけてくれた実習生がいました。
お昼休憩中「実習生の@@ちゃん、毎回挨拶してえらいね」と先輩と話していたことがあります。
そこから、どうしてここへ実習に来たのかな?と興味が派生していくきっかけに繋がることもあります。
逆にめちゃめちゃ暗い実習生もそれはそれで気になりますが(笑)
挨拶ができるに越したことはないので、じゃんじゃん愛想を振りまいてください。
②実習態度は常に見られている
飼育員は動物の観察を必ずおこないます。
ということは、人間に対する観察力も無意識に働いていると思うんですよね。
例えば、実習生に指示を出した時の表情や返事の仕方一つで「嫌なんだな」「嬉しそうだな」と感じ取っています。
誤解しないで欲しいのは
”粗を探してやるぞ”という意識で実習生を見ているわけではありません!
これまで多くの実習生を受け持っているでしょうから
やりたくなさそう、やりたそうくらいは見分けがつきます。
自ら実習を希望しているのだから、やりたくないというのは無さそうだけど…。
意外と受け身な実習生はいます。実習内容の度が想像を超えていたのかも。
どんなに想像の範囲外でも、態度に出さないでください。
逆に実習が楽しくてしょうがない時は、そのままの気持ちを現場の方へ伝えてみてください。
実習生のひたむきな姿は
飼育員の初心を思い出させる瞬間でもあります^^
③作業要員にならない
〜飼育員さんに質問しよう〜
指示されたことを淡々とこなすのは、ただの作業です。
何のために実習をしているかを忘れないように・・。
命を預かる・育む職業なので、掃除の仕方にも意味があります。
例えば、週に1回高圧洗浄機で獣舎内を清掃するというシンプルな習慣があったとします。
普通に考えたら「汚れを落としたいから」だと思うんですけど
もしかしたら、飼育員さん個人の考えがプラスαあるかもしれません。
最近空気が乾燥してきて、ホースの水圧だけでは落としきれない汚れが増えてきたからとか。
本当はホースだけでいいんだけど、少しでも衛生環境を綺麗に保ちたいからとか。
清掃の理由を一つ知るだけで、とても意味のある作業に感じませんか?
込められている意味をなるべく逃さないように考えて動くと、実になる時間を過ごすことができます。
そして、考えて作業をしていたら必ず疑問が浮かびます。
自己解決できない疑問以外は質問してみてください。
といっても、やみくもに聞くのではなくて中身のある質問をした方が印象がいいです。
例えば「私は@@@考えているんですが、なぜ@@@なるのでしょうか?」など
自分の意見を言った後に質問をする方法もあります。
施設によりますが、実習生がいないと仕事がまわらない動物園もあります。
飼育員不足なので忙しい現場ということですね。
なので飼育手順と注意事項を実習生に伝えて
現場を任せるような形になることもあります。
側に飼育員がいない時間というのは、監視の目がないので
リラックスできますよね。(ある程度の緊張感は忘れずに!!)
心に余裕が生まれれば質問や疑問が自然と浮かんでくるかもしれません。
忙しい現場ほど実習生に細かな説明ができないでしょうから
ある意味質問の宝庫とも言えます。
職員が落ち着いたタイミングを図って、質問してみましょう!
学生時代のエピソード
就職を視野に入れた動物園での実習期間中は、同じ飼育員さんのもとで実習をしていました。
その飼育員さんは毎日必ず「何か質問ある?」と私に尋ねてくれます。
質問一つするにも勇気がいるチキンハートなので、最初は超プレッシャー。
なので、夜に質問したいことを考えて翌日の実習に臨んでいました。笑
たまに「質問が弱いなぁ」と言われることもありましたが、質問の仕方を考える良いきっかけになりました。
緊張しやすい、真面目に考えがちな人の参考にはなるかな?笑
観察と疑問は質問に繋がる
指示を受けてこなすだけ、質問をしない実習生は意外と多いです。
実習生には専門的な話しをできるだけ教えるようにしていますが、
全てを説明できるわけではないので質問してくれるとありがたいと思います。
あとは、実習担当が把握できたら夜に担当動物のことを調べ
事前知識をつけることで動物の観察をした際に疑問が生まれてきます。
飼育員は動物の観察から生まれる疑問と常に闘っているので「観察」と「疑問」は意識してみてください。
質問したいことが自然と浮かびます^^
疑問を分析するのも面白いかもしれませんね。
④やる気を見せる実習生は一部
やる気がある実習生は挨拶・態度・会話から感じて取れます。
やる気といっても、ただひたすら飼育員になりたいんです!と
抽象的なことを語っているだけでは中身が無いと思われてしまう可能性があります。
飼育員さんに届けたい気持ちがあるのであれば、どうしたら伝わるか?
一度考えて言葉を発するだけでも内容の濃さに差が生まれます。
実習生を受け持つことには慣れているので飼育員によっては、何気ない会話からあなたの気持ちを汲み取り、やる気をかってくれることもあります。
実習内容以外の質問ができる雰囲気であれば、飼育員さんの経験談や仕事に対する考え方を伺うなどして、コミュニケーションをたくさんとってください。
そして
あなたはどのような時、人を魅力的だと感じますか?
職員と学生という立場のもと関わるのが実習ですが、プライベートな話しになれば人間対人間です。
人それぞれ刺激される感性は異なるかもしれませんが・・
大方、コミュニケーションの中で垣間見る素顔の一面に惹かれた経験があると思うんですよね。
少しでもうちの施設に来てほしい!と思ってもらうためには
やはりコミュニケーションは必須で。
対話の中であなたの人間性を知ってもらい、意欲を伝えてみましょう!
逆にやる気を見せる実習生が一部というのもある意味ラッキーです。
なぜかは、お察しください☆
まとめ
- 実習期間中は会う人みんなに挨拶をする
挨拶ができる人は、印象が良いです。
緊張してできない!という人は、会釈しましょうw - 実習態度は常に見られている
笑顔は誰も嫌な気持ちしないので、
じゃんじゃん愛想を振りまいてください。 - 指示を受けてこなすだけのロボットにはならない
自己解決できない質問は飼育員さんに尋ねましょう。
質問はやる気を見せるチャンスでもあります! - 職員とコミュニケーションを図る
あなたが接する飼育員さんは、もしかしたら将来一緒に働く方かもしれない。
どんな人かを知り、自分のことも知ってもらいましょう!
対話を通して意欲も伝えてみよう。
実習とは、社会を経験することですので当然緊張しますよね。
良い印象を残していきたいと強く思うほどプレッシャーだし、実習中の失敗は落ち込みます。
そうやって学生のうちから社会を経験して、成長に繋げていってください。
現場の人たちは実習生に完璧を求めていないので
萎縮せず、ある程度の緊張感を持ちつつ臨んでください。
初めての動物飼育、初めてのバックヤード、初めての治療立ち合い・・
全てが初体験ってとても貴重な時間だし、ワクワクしませんか?
自分の目で働く飼育員を見て、身体で飼育員の仕事を感じる。
そうして学んだことはあなただけのオリジナルです。
履歴書や面接などで、そのオリジナルな想いが伝わることを願います。
質問や相談等はTwitterのDMまたはお問い合わせにて受け付けています。気軽に送ってくださいね。
Twitter:@keeper_website
今日の一冊『到津の森公園 園長の部屋』
いつも記事の最後に本を一冊紹介しているのですが
今回はとあるHPサイトを紹介します。
学生時代〜社会人になってからも度々読んでいました。
動物愛護論・家畜と野生動物・JAZAなど
動物園に携わる一人として意見を述べられています。
動物業界って正解がない世界なので、
各々いろんな意見を持っていて当然だと思います。
学ぶことが多いのでチェックしてみてください。
飼育員のこんな情報が知りたい!というご要望がありましたら、下記のフォームよりリクエストをください。