飼育員を目指す学生さんから
苦手意識を持つ動物の克服方法に関する相談をいただきました。
飼育員を目指しているのですが、苦手な動物がいます。
今のうちから学校の飼育実習で苦手動物と関わるようにしていますが、克服とまではいきません。
飼育員を目指しているにも関わらず苦手な動物がいるということが悔しいです。
apeさんだったら、苦手な動物を担当することになった場合どうされますか?
同じような悩みを抱えている人がいると思うので、
シェアさせてもらいますね。(本人許可済)
アンサーとしては
結論:好き嫌いで物事を判断せず、仕事ができるかどうか。
好き嫌いで飼育パフォーマンスが落ちてしまうなら、
仕事ではなく趣味に切り替えた方がいいと思っています。
苦手かどうかは動物側も雇う側も知ったこっちゃないんですよね。
肝心なのは、どれだけ誠実に仕事に取り組むかです。
って、私は考えているので克服方法よりも
飼育員という仕事への理解を深める機会だと捉えていました。
例えば、苦手なインコの飼育担当になったとして
苦手だから飼育管理を疎かにすることはないと思います٩( ‘ω’ )و
動物園には多種多様な動物が暮らしているので
興味関心のある動物だけを飼育担当できるとは限りません。
生態を勉強して、飼育して、来園者にインコについて解説する
施設によっては調査・研究も。
苦手だからこれらの業務をすっ飛ばすことは
絶対にあってはいけません。
『克服』と感情で考えることは一旦やめましょう。
飼育員は好きなことを仕事にしている部類に入りますが、仕事内容までも感情を優先しません٩( ‘ω’ )و
学校の飼育実習は、
学生が責任をもって飼育管理しているわけではないので
ある意味受け身ですよね。
日頃から管理をされている職員さんがいると思われます。
(学校によるのかな)
実習と仕事では当然、見えるもの / 見えないものがあります。
いざ自分が責任をもって飼育管理をおこなうとなれば
苦手だから〜なんて思わないはず。
動物たちの暮らしが自分の手にかかっていると考えたら
好き嫌い関係なく、仕事に精を出しますよね。
ちなみに私は齧歯類が苦手でした。
まさに学生時代、齧歯類の飼育実習をやってみたものの
内心は超ビビってました。
カピバラとか、ラットとか。
そして新卒一年目、担当動物のなかに齧歯類が含まれていたのですが
関わるほど、見れば見るほど面白くなってくるんですね。不思議〜
個体ごとに性格や癖が違うし、
私のことを覚えてくれてるんじゃないか?
って瞬間もあったりして、愛おしかったです。
人間で言う、見た目は好みじゃないけど
中身を知ったらギャップを感じて好きになった
そんな感覚に近いです( ・∇・)
理性を働かせて、まずは知ることから始める。
感情ジャッジは後で。
人は知らないことに対して不安を覚えやすいそうです。
苦手な動物がいることに悔しさを感じる必要は一切ありません。
珍しいことじゃないですからね٩( ‘ω’ )و
ちなみに関わったことない動物で苦手なのは、
アカハナグマです。
昔噛まれたことがあって、少しトラウマになりましたw
今日の一冊『生き物の死にざま』
『生き物の死にざま』著者:稲垣栄洋さん
生き物たちの誕生から死にざまのリアルを追った物語です。
カゲロウ、シマウマとライオン、ヒキガエル、クラゲ・・など様々な生き物たちが物語の主人公となっています。
図鑑のように淡々と一生を綴られているのではなく、まるで自分が主人公と対面しているかのような感覚と共に彼らの一生を覗き見しています。
生態を忠実に記述しているのに”物語”と表現する理由は、生き物たちの一生に対する著者の情緒が含まれているからです。
この本を読んだ後、自分はどう在りたいかをじーっと考えていました。
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