こんにちはっ!
前回は、水族館のショートレーナ→動物園の飼育員として働いている友人の記事をお届けしました。
今回も動物園の飼育員として働く友人に、仕事のやりがいや就活生に向ける言葉などを聞いてみました。
友人とは専門学校で出会い、社会人になってからも交流を重ねています。ありがとう!
始めに友人の経歴を身バレしない程度にご紹介したのち、対話の内容をお届けしていきます。
ぜひ、一読して一人の人生を少しだけ覗き見てください。
現役飼育員として働く友人の姿
彼女(友人)とは学生の頃に出会いました。
当時の印象は、明るく笑うとても素直な人。
時に不器用な面もありながら、どうしたら解決できるだろう?と改善への努力を惜しまない努力家です。
学校へ向かう移動中、眠い目をこすりながら勉強している姿をいつも見ていました。本当に眠そうだった笑
わからないところは彼女に聞くと解決するというくらい勤勉家。
そして、優良な成績を修めていました。
就職活動中は特に努力家の一面が垣間見えて・・
試験対策はもちろんのこと、働きたい動物園の下調べや飼育員さんと近づくために講演会へ足を運んだり、職員さんに質問をしたり。
「私が一番@@@動物園のことが好き!」という想いが溢れ出ていました。
また、現場で働く飼育員さんの意見や動物園が抱える問題など学生のうちから内部への興味も持っていました。
本人は、就職できるか不安と言葉を漏らしていたこともありましたが、周りは「彼女なら絶対大丈夫」そう確信していました。
周りから期待される人間になるってそう簡単なことではありません。素敵!
そして、努力と運が身を結び志望していた動物園の就職への第一歩はアルバイトから。
社員とアルバイトは、抱える責任感も異なるしモチベーションの維持が時に難しいはず。
そんな環境の中でも飼育員という仕事を全うしながら、契約社員の試験に合格。
動物園の正社員枠/契約社員枠は年度によってないこともあります。
不安定な契約期間の中で、来年も飼育員として働けるだろうか?と不安になる瞬間もあったかもしれません。
現在は無事正社員に昇格し、学生の頃から大好きな動物園でずっと働くことができる環境に身を置いています。
学生時代から正社員になるまで毎年就職活動をしていたことになりますね・・。
何年もかけて今年は、今年こそは、とモチベーションを失うことなく目標を追い続けるって素直にかっこいいと思います。
そんな彼女に、飼育員のやりがいとは?就活生に向けるアドバイスは?などなど聞いてみました。
動物園の飼育員としてどんなやりがいを感じる?
どんな職種でも、やりがい抜きに仕事を続けることは難しいです。
目標と達成のセットはワクワクするし、意欲を掻き立たせてくれますよね。
彼女が語るやりがいを感じた瞬間は、
・子羊の人工哺乳
・来園者との出会い
では、見ていきましょう!
初めての人工哺乳
子羊の人工哺乳に初めて携わった時に感じたことなんだけど。
哺乳瓶に吸い付くきっかけを与えるために、哺乳時に鳴る「チュッチュ」という音を私の口から鳴らしてミルクをあげてたんだ。(口をすぼめて空気を吸い込むようにして鳴らす)
そうすることで、子羊が本能的に吸い付くようになったよ。
その子羊はすくすく育ったのちに搬出が決まったんだけど・・。
搬出日に子羊に会いに行って、いつも哺乳時に鳴らしていた音を立てたら私の指に吸い付いてきたんだ!
一緒に過ごした時間を共有できていたんだと実感した瞬間だったなぁ。
飼育している動物たちが飼育員のことをどう見ているか、記憶してくれているのか、動物自身には聞くことが出来ませんよね。
なので飼育員は、些細な行動から動物たちの習性や感性などを感じ取り、思考立てることしかできないのですが
彼女が飼育していた羊は、哺乳音をきっかけに彼女からミルクをもらっていたことを思い出したんだなというエピソードでした。
人間でも音や匂いから思い出される記憶がありますよね。
元恋人がつけていた香水の匂いがして、なんだか懐かしいな〜なんて。あれ?笑
羊自身「この音は!ミルク!」と心が躍ったのかも。
同じ時間を共有できていたことを確認した瞬間・・素敵〜
来園者との出会い
動物のふれあいやガイドをしていた時に
「知らなかった!」
「面白い!」
という反応を見た時、とても嬉しくなる!
初めて動物を触ったお客さんの笑顔とかも!
飼育員を目指す理由の一つに、来園者に動物のことを伝えることがやりたかったんだ。
来園者との関わりの中でとても印象的な出来事があったの。
園内に設けてあるアンケートBOXに
「@@さん、わかりやすく生態を説明してくれて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました!」って私を名指して書いてくれた方がいて!とても嬉しかった。
動物園に足を運んでくれるお客さんを大事にしていきたいなと思う。
また彼女は、園内で会話した来園者を覚えているそうで、再度来園してくれた方を見かけると声をかけているようです。
”お客さんを大事にしたい”という感謝を忘れない姿勢がとても印象深かったです。
包み隠さず話すと、ふれあいは得意と不得意が分かれていて
接客やふれあい指導に対して苦手意識を持つ飼育員は少なくありません。
なので接客が好き!と公言して来園者に覚えてもらうくらい自身を印象づける彼女のスタイルは、とても素敵だなぁと思いました!
私はふれあいを介した接客が苦手だったので、接客を楽しむ領域にいけなかったのは残念だなぁと思います。
動物園の飼育員を一生やりたい?
正社員となった彼女は、辞職を選ばない限り定年まで飼育員として働くことができます!
ふと気になったので聞いてみました。
一生やりたい!
仕事に関して落ち込んだり向いてないと思ったりすることもあるけど。
小2の頃から飼育員になりたいと思い続けてきて、家族や友達が応援し続けてくれたんだ。
辞めることは応援して支えてくれた人たちを裏切ることになる。
もっと言えば、自分自身も裏切ることになる!自分を裏切るのは嫌だなぁ。
彼女の好きな言葉は、
「好きでい続けることは一つの才能である」だそうです!
彼女自身に当てはまる言葉だなぁと思いました。
さらに言えば、好きを極める才能も感じます。
好きこそものの上手なれ!
印象に残る動物園実習生は?
実習生には、飼育員を目指す理由を聞いたりするんだ。
理由に対しての根拠や行動によっては、やる気を感じるからね。
例えば「動物が好きだから飼育員になりたいです」だと「そうだよね」で終わっちゃう。
・動物を介して接客がしたい
・動物の観察がしたい
とか何か教えてくれたら、実習期間中に来園者と話す機会や動物の観察時間を設けて私にできることを考えるよ。
動物の観察中に来園者の声を聞くことで、動物園が来園者に伝えたいことが伝わっているかを確認できるよね!
後は質問をしてくれる実習生!
指示に対して元気よく返事してくれる一方で、言われたことを淡々とこなしていくだけだと受け身だなぁという印象を持つかなぁ。
質問が多い実習生は、学びの姿勢を感じるよ。
実習先を選んだ理由が少なからずあると思うから積極的に伝えていこう!
実習生の人柄を知るために、彼女から質問をすることもあると言っていました。
「実習生を後押しできることがあるかもしれないから」だそうです。
親身になってくれる人は、本当に貴重です。
前半の紹介文にも書いたのですが、彼女は飼育員と近づくために講演会へ行ったり、動物園に行って職員さんに話しかけたりしていました。
憧れの飼育員になった今、就活生がどんな思いでいるかをよく理解しているからこそ頑張る人を応援してくれるのだと思います。
飼育とは関係ない話しを思い出しました。
以前お世話になった職場の人から、
「優しさは伝播していかなきゃね」と言われたことがあります。その方は、美味しい料理を振る舞ってくれたり、人生のアドバイスをしてくれたり
とても親身で、とても心強かったです。
聞くと、その方自身も私にしてくれたように人の優しさで救われたことがあると言っていました。
優しさの伝播って、関わったことのない人からの優しさも感じることができるんですね。
話しを戻して
彼女がそこまで親身になるのは、そうしてくれた人(飼育員に限らず)の存在があったのかな?
”優しさの伝播”ぜひ、やってみてください。
動物園の試験対策
これはもうひたすら勉強するしかない・・。
私の場合過去問は必ずチェックして、試験に通るための勉強は欠かさなかったよ。
と言っても運も大事なんだよなぁ。
これまでチェックしていた過去問とか試験対策がはまらなかったら落ちてたかもしれないし。
あとは、志願者の中で私が一番という気持ちで履歴書を提出してたよ!
彼女は、いくつかの公立動物園の試験を受けて筆記試験を落としたことがありません。(スゲー)
努力を惜しまなかった結果だと思います(๑・̑◡・̑๑)
動物園の試験は、順番で言うと
書類→筆記→面接がほとんどなので、最終試験にいくためにも筆記試験の対策は絶対に欠かせないですよね。
勉強は、やればやるだけ良い結果を出せると思うのでファイトです!
一度でいいから学問の勤勉家になってみたかった。笑
動物園の飼育員を目指す就活生に向ける言葉
飼育員になることがゴールではないから、飼育員になって何をしたいのか明確にしておくといいと思う。
面接でも聞かれることだよね。
それと苦手なこと(物作りやキャプション作成など)は学生のうちから慣れておくといいかも!
興味のあることばかり手をつけていると、働き出してから苦労することもあるよ。
私自身、苦手意識を持っていることに対してのアイデア力とかひらめきとか湧いてこないことがあってそれが引目に感じたんだ。
私が契約で働いていた時、他園の試験を受けなかったんだ。
そしたら他園の飼育員さんから
「自分がやりたいことは、どの施設でもできる。環境を活かすんだよ」ってアドバイスをもらったよ。
彼女の場合は、一番やりたかった教育普及を一番働きたかった動物園で実現しています。
文字に起こすとトントン拍子に見えてしまいますが・・
実現に至るまで何年も就職試験を受けたり仕事で自信を無くす感覚を味わったり。
様々な苦難を乗り越えています。
動物園の飼育員になったら
飼育員になってからも向上心を持つことが大事。
現状維持思考や飼育員になった自分に満足してはいけない。
よく耳にするのは「今までこの飼育方法でやってきたから」です。
あぁそうなんだ〜で終わるのか
今までのやり方の中で何か気づきを得て、挑戦や試行錯誤をするのか。
これに関しては、職場の人間関係も加味しながらより良い飼育を志す必要がありますかね( ・∇・)?
まとめ
- 飼育員としてやりがいを感じた瞬間
→飼育個体と同じ時間を共有できていたことを知った時
→触れ合いやガイドを通して、教育普及に携わった時 - 飼育員を一生やりたい
→自分を応援して支えてくれた家族や友達、自分のために - 印象に残る実習生
→質問してくれる
→学ぶ姿勢を見せてくれる - 試験対策
→受かるための努力を欠かしてはならない
→勉強はやればやるだけ結果がついてくる
→自分が一番!という気持ちを込めて履歴書を出す - 就活生に向ける言葉
→飼育員になることがゴールではない
何をしたいのか明確にしておく(ふんわりでもOK)
→興味があることだけに手をつけるのではなく、苦手なことにも取り組んでおく
→志望する動物園の試験に落ちてしまっても、やりたいことはどんな環境でも実現することができる(限度はあると思いますが、可能性を自分で潰さないこと)
→飼育員している自分に酔わないこと
最後に
今回ゆっくり話しを聞く時間がとれなかったのですが、(遊びに夢中で)色々なことを教えてくれました。
彼女が職場の先輩だったら楽しそうだな〜って思いながら聞いていました!
飼育員を目指す学生の情報収集に役立てていたら幸いです。
彼女自身も同じ想いで、今回協力してくれました。
もっと詳しい話しを聞いてみたい!と意欲が湧いた方は、気軽にご連絡ください。
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