こんにちは
年が明けたばっかだと思っていたのに、気づけばもう4月中旬です。
4月といえば新生活のスタートですよね。
一方、3月を終えて仕事を退職された方もいらっしゃるかと思います。
私の友人も水族館の飼育員を3月いっぱいで退職。
学生時代から仲良くしている友人でしたので、退職したいま何を想うのかいろいろと聞いてみました(^_^)
彼女は一言で言うと『意味わからない明るさを持つ人間』です。
まずは学生時代の印象を私視点でお届けしたのち、水族館の飼育員として働いた経験の部分を深掘りしていきたいと思います!
レッツラゴー
学生時代の印象
彼女は入学当初から仲良くしている友人です。
初対面の時から、とにかく明るくて「ペンギンが好き!」と話していたのを覚えています。
「ペンギンと同じ撫で肩なんだぁ」と自己PR付き。
まだぎこちない間柄なので、さすがに「そうだね!!」とは言えず、ハハハ!と笑っていたと思います。
動物園・水族館に就職したい人たちが集まる専門学校でしたので、
初対面から「好きな動物なに?」という会話は当たり前のように交わしていました。
そして私はゴリラが好きと返したら「ゴリラ!?いいね!!」と楽しそうに肯定してくれました。
学校のカリキュラムの一環で全校生徒の前でスピーチやパワポを使った発表などがあり、
彼女は、視聴者を惹きつける話術を持つプロでした。
エンターテイナーになりたいとよく言っていたので、人前で話す=エンターテイメント
だと考えていたのかなぁと考察します。
人柄に関してですが、記事の冒頭にて彼女を意味わからない明るさを持つ人間だと紹介しました。
就職活動が始まると、わいわいガヤガヤしていた学校内の雰囲気が若干シビアに切り替わります。
必然的に友人たちとの会話内容は、就活事情や求人情報など悩みの種を話し合うみたいなことも増えていました。
そんな中でも彼女の場合、ちょっと空気読めてない人みたいなレベルでめちゃくちゃ明るくて
意味わからない冗談をぶちかますみたいなことをやっていて、それが逆に面白くて笑うということがよくありましたね笑(変な動きしたり、変な顔したり)
就活真っ只中のめっちゃ神妙な面持ちの子に向かって、ほっぺつんつんヤッホー!してシーンみたいな空気になっていたのは今でも覚えていますww(懲りずに何度もやるんですよ)
実習中は「きつねたぬき天ぷらつきみ♪」ってよく歌ってました笑
そんな空気読めないくらい明るい彼女でも、動物のことや将来の自分像を話す時は表情が一変して真剣でした。あと、言葉が熱い!
論理的に説得する言葉よりも表情や声色や感情を乗っけて、かめはめ波していたと思います。
いつだって彼女は、変わらない熱量で自分の考えを語ってくれました。
空気読めないくらい明るい彼女のおかげで、私もなんか意味わからないけど笑っちゃうことが日常茶飯事だったので、笑いを伝染させる力がとにかく凄まじかったです。
変換すると、周りを巻き込む力があります٩( ‘ω’ )و
本当にたくさん笑わせてもらったんですよねぇ・・(意味わからない笑いを)
ちょっとおちゃらけた彼女の印象を綴りましたが、ここからは真面目な経験談となります。
約6年間一つの職種に時間を注いだ彼女の話しをワクワクしながら聞いていました。
話し言葉でお届けします。では、どうぞ!
水族館の飼育員を目指したきっかけ
将来の夢が飼育員になったのは、中学2年生の時。
中学3年生になると受験があるから、進路を考え始めたんだよね。
高校や大学を決める前に将来就きたい職業を決めよう!って思って、好きなことを仕事にしたいと中学2年の少女は考えたわけですよ。
そこで、自分が好きなものを挙げていったのね。
星・・音楽・・動物・・・
職業として考えたときに、消去法で残ったのが「動物」だった。
動物といえば、飼育員。
飼育員として働くイメージが一番できたんだよねぇ。
大学進学するために高校は進学校に入学したんだけど、高校受験をやり切ったからか、勉強にあまりついていけなくなったんよ。
大学進学は諦めて就職しよう!って思って、水族館に電話をかけたけど全く相手にされなかったね!
そこから専門学校への進学を決めたよ!
高卒で水族館に就職するケースは珍しいのかな?
飼育員と言っても、動物園・水族館・牧場とか色々ある中で、水族館を選んだ理由はなんだい!
専門入学当初から水族館の飼育員を目指してたよ。
小さい頃から縁あって水族館に行くことが多かったから
飼育員=水族館 という結びつきが自然と強くあったんだと思う!
新卒で水族館に就職
これまで2ヶ所の水族館で働いた経験があります。
約6年間水族館で働いたと紹介していますが
正確には、5年と8ヶ月です。
新卒で就職した水族館が8ヶ月勤務でした。
一般的に見ると短い期間ですが、かなり濃密な8ヶ月だったようです。
それではみていきましょう!
8ヶ月働いたのち水族館を退職
狂ったように働いた8ヶ月間だったなぁ。
働き始めは、尖ってたと思う。
自分はなんでもできる!やる気がある!ってモチベーションが高かったよ。
けど、働き続けていくうちに自分の時間がとれていないことに気づき始めるんだよね。
サービス残業は当たり前だし、休みが少ないのも当たり前にあった。
けど当時は、これが飼育員だと思ってた!
動物飼育の業界はサービス残業が当たり前だと私も思ってたなぁ。
誰も残業申請してないし・・私もするわけにはいかんな。って感じだった。
休みの方は、ちゃんと週休2日だったけどね!
うむ。
おかしな勤務形態に気づいたきっかけが、32連勤した時なんよね。
飼育業務+ショー
これを毎日毎日やって。とにかくハードだった。
不思議なんだけど、自分がどこの時間帯にいるのかわからなくなってたよ。
ある時、同期が「これはおかしい」(勤務形態)と言ってたんよね。
当事者、他者から見てもおかしいはずなんだけど、不思議なことに自分は「まだ頑張ろう」状態。
でも・・
台風が発生して水族館は休館、自分も仕事が休みになった日があって。
家で何気なくインスタを見ていたら、同じく動物施設で働く友達が遊びに出かけて楽しそうにしてるのを見て「あれ、自分何してるんだろう」ってふと思ったんだ。
残業有りの32連勤は大変だなぁ。
インスタグラムを見て、飼育員している友達と自分の過ごし方の違いに気づいたんだね。
それからは会社に対して不信感を持つようになってったなぁ〜。
給与明細はないし、給与は手渡しだし。
毎日残業してても手取りは10万円ほどだし。
そんな時に同期が先に退職したんだよね。
もちろん私も辞めたいってなるんだけど、会社からもう少しいて欲しいと言われたなぁ。
ペンギンの飼育責任者的なポジションだったから、業務のキリが良いタイミングまで働くことになったよ。
動物業界で給与明細を渡さない会社は彼女が勤めていたところ以外聞いたことがないですね。
滅多にない事例ということになります。
働く環境が悪くても、そこで暮らす動物を思うと辞めていいのか?と葛藤が生まれたのではないかと思います。
人手不足なら尚更ですね・・。
どんな理由があっても、心身の健康が第一です。
水族館の飼育員を辞めたあと
水族館を退職してからは、地元の居酒屋でバイトしてたよ!
バイトの面接で「水族館の飼育員になりたいのでいつか辞めると思います」
と言ってたんだけど、雇ってくれた〜(感動)
働く従業員も店長もみんな良い人で、とにかく楽しかったなぁ!
シフトの融通をきかせて、水族館の面接にいかせてくれたこともあったし。
「俺はお前の応援団だから頑張ってこい」って言葉をもらって、本当に感謝してる。
居酒屋では4ヶ月間お世話になったよ。
居酒屋でも持ち前の明るさを発揮していたのかな?と想像します。
楽しんで働くって究極の理想です。
関西の水族館に契約社員として就職
新卒就職(8ヶ月)退職→居酒屋→水族館就職
ここでは、契約期間5年を満了して退職することになります。
動物業界あるあるですが、正社員枠が本当に少ないんですよね。
枠が空けば正社員募集はありますが、それも1〜2人程度がザラにあります。
正社員ほどではないですが、バイトや契約も正社員に落ちた多数の人たちが受けるので倍率は高めです。(施設によりますが!)
契約社員のメリット/デメリット
5年間働いて感じた契約社員のメリットとデメリットを聞いてみました。
メリット:契約社員は終わりが見えるから、そこまで頑張ろうという気持ちにはなるかな。
デメリット:せっかく5年働いたのに辞めるしかないから、若手が育たないと思う。
私の場合は地方の水族館だったこともあって、その土地にずっと残る選択はなかったから5年間という雇用形態に対して物申す気持ちはなかったかな!
契約期間中に正社員試験はあったんだけど、受けなかったね。
補足だけど、正社員の試験を実施しても1名も採用しない年があったよ〜。
この業界の体制的に若手が育たないというのはよく耳にします。
辞めざるを得ないので、その後も別の施設で飼育員をやるのか
やれたとしても正社員でなければまた不安定な雇用形態で働くことになる・・
今後も飼育員を続けることが自分にとってベストな選択なのか
そんなふうに考えた結果、他職種に転職したという方々をたくさん見ています。
地方の水族館で働いて苦労したこと
関東出身の彼女は地元から地方(関西)に生活拠点を移すことになりました。
土地柄の違う地域で働くなかでどんな苦労があったのか聞いてみました。
関東と関西は文化が違う!留学しにきたのか・・?って思ったね。
言葉のイントネーションが違うから、聞き慣れてないっていう観点でほんの少し違和感を感じてたなぁ。
あとはコミュニケーションの図り方(関西ノリ)があることを知らなかったから、ついていけなかった時もあったね!
そういう少しの違和感が蓄積して、住み始めてから3年間はしんどく感じる時があったよ。
生まれた地域は違えど、同じ日本人であることに変わりないんだけどね。
けど、お互いに遠慮する部分はあったんじゃないかな〜
私自身、いくつかの地方で生活していたことがあるので気持ちは多少なり察します。
彼女が関西の水族館で働き始めた当初、自分らしくいられないことへの葛藤を聞きました。
学生時代は、空気を読まない明るさを振りまいていたのですが
社会になると上下関係があるので、遠慮がつきまといます。
もどかしい気持ちを日頃から抱いていたのかなぁ
職場の雰囲気
入社〜退職までの間で、ずいぶんチームの雰囲気が良くなったと思ってる!
入社した当初の雰囲気はピリピリしてて正直苦手だったね。。
先輩の指導方法が、教えるというより押し付けるに近いものを感じていたからかなぁ。
例えば掃除の仕方なんだけど
A~Dの工程をやる必要があったとして、先輩の言った手順で全てやらないと
ちょいきつめな、お言葉をもらうみたいな。
このやり方の方が早く終わりますよ!という意見も受け付けない雰囲気があったから、やりづらいな〜って思うことは多少なりあったねぇ。
その経験あるなぁ。
私は「あ、これからやるところでした」って嘘ついてその場を逃げるみたいなことしてた笑
もちろん、事故に繋がる可能性がある・人と連携してやること等の場合は決められた手順でやるけど。
安全の確保ができる作業に関してはその人自身のやり方で攻めていいと思うんだよねぇ。
後輩ができてからは、誰でも発言しやすい雰囲気づくりに努めたよ!
みんなの意見を尊重したかったからね。
入社半年の後輩に職場の雰囲気を聞いてみたら「喋りやすくて楽しいのが逆に怖い」と言ってもらえたなぁ。
個人プレーだった当時のやり方をチームプレーに変化させることができたのかなぁと後輩の言葉から感じたよ。
水族館を退職する時「新人の時の心の支えでした」と後輩たちから言葉をもらった。(涙ちょちょぎれ)
後輩に対しては、一緒に仕事をする仲間(同僚)として接していた結果なのかなと思う!
5年働いていると、正社員にならなかった上司が退職していき彼女が上の立場になります。
就職してから3年間は辛いことが多かったけど、後輩ができてから楽しく仕事をやれるようになったと言っていました。
彼女は、自分が優しすぎて逆に記憶に残らないかもなぁと言っていましたが
後輩に言ってもらった「楽しい、心の支え」この言葉が彼女の指導を物語ってますよね。
彼女が楽しく働いた居酒屋バイトでの経験を忘れていないように
後輩たちも彼女から受けた指導を忘れることはないと思います(^_^)
契約期間を満了し水族館を退職
飼育員最終日って、学校の卒業式に似た感覚だよねってお互いに話していました。
内部に携わる者として、二度と彼ら(動物)の日常を目にすることができなくなります。
次からはお客さんとして外から動物たちを観るしかありません。
不思議なんですが、水ホースやデッキブラシや南京錠までも名残惜しくなるんですよ笑
学校の卒業式でも「この席から見る風景も最後か」って感覚があったので、卒業式とちょっと似ているんですよね!
話しを戻して・・飼育員の最終日はどんなことを感じたのか聞いてみました。
出勤時から涙が出そうだった〜〜
自転車通勤だったんだけど、早朝この場所を通ることはもうないのか
見慣れた環境ともお別れすることになるのかって情緒が揺さぶられたね。
職場についてからは・・
最終日が来るまで飼育員を辞める実感がなかったんだよね。
だから、ふわふわした気持ちと今日は自分が主役だ!っていう気持ちになったよ笑
他部署の人から「最後だね」と声をかけてもらって、周りからもお別れムードが漂っていたねー!
最終日だろうと、そうでなかろうと、飼育業務は変わらずやり遂げるものだからいつも通り動いてたかな。
動物と過ごす日常=奇跡の日常
だと思っていて、本当に貴重な時を過ごさせてもらった。
印象深い飼育個体
『カマイルカ』
飼育3年目で担当になったのと、仕事を辞めるとマネージャーに言っていた年だね。
だけど、担当になった個体(カマイルカ)の妊娠が発覚して、出産を見届けたい気持ちから飼育員を続けるって決めたんだ。
まだまだ飼育員を続けたいという気持ちにさせてくれた個体だから印象深いよ。
彼女とのエピソードでさ、
聴覚が鈍いかもしれないと言われてた個体で、トレーニング時に眼をがん開きしてたんだよね。
(恐らく聴覚が鈍い分、視覚で合図を感じとろうとしていたからかも)
彼女の身体性を考慮して、ホイッスルなしのトレーニングを一緒にやってきたよ。
私を見る眼の印象が強く残ってて、なんとなく彼女との波長が合うと感じてたんだよねぇ。
人に対して奥手な性格だったんだけど、私に対して甘えたな態度を見せてくれるようになった時は、本当に嬉しかった。
良い話しやんけぇ・・。
印象に残っている動物は?って質問に対しての第一声は「選べない」でした。
そこをなんとか捻り絞り出してとお願いしたらカマイルカとのエピソードを話してもらいました。
動物と関わる中で『この表情、態度が印象に残ってる』って言葉を聞いて
すごくすごく共感する部分があったんですよね。
飼育個体を思い出す時って、全体像を浮かべるのではなくて
ご飯を食べる時の仕草やコミュニケーション時のリアクションを思い浮かべます。
あぁ・・尊いなぁって感じた瞬間でしょうか。
彼女は記憶に残り続ける経験を得たと思います。
感想
飼育員として約6年間働いた友人に「まずは、お疲れ様でした」と言葉を贈ります。
彼女の人柄を現す『意味わからない明るさ』という愛ある表現をお許しください!
彼女は学生時代、エンターテイナーになりたいと言っていました。
社会人である現在は、動物、お客さん、従業員みんなのエンターテイナーになりたいと語ってくれたんですよね。
持ち前である「明るさ」の根源は、関わる人間・動物たちに楽しんでもらいたいという精神からきているのだと、今回の記事を書きながら気づかされました。
飼育員を続けたいと思わせてくれたカマイルカは、きっと彼女とのコミュニケーションを楽しんでいたのではないかなぁと思います。
時を経て『意味わからない明るさ』の正体が掴めてきたんですけど、
意味がわからないままでありたいので、これからも根拠無き笑いを彼女に返していきます!
そして、今後再び飼育員として働く姿を目にできたら良いなと思いますが・・
彼女が中学2年の時に抱いていた、『好きなことを仕事にしたい(生きたい)』という気持ちを友達として心から応援します。
元水族館の飼育員/歌うお姉さん
今回、水族館のお話しをしてくれた友人のSNSをシェア!
弾き語りが好きで、YouTubeに動画をあげたり
Twitterでキャスをやっていたり好きなことをネットで共有しています。
アイコンをクリックして閲覧してみてください(^_^)
彼女に水族館に関する質問をしてもOKです!熱く答えてくれるんじゃないでしょうかwktk
では、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
飼育員のこんな情報知りたい!というご要望がありましたら、下記のフォームよりリクエストをください。