こんにちは
インタビューとかっこよく書いていますが、対話です!
相手は、飼育員であり友人でもあります。
経歴が稀で・・大手の水族館でショートレーナーをしたのち、現在は公立動物園で働いています。
対話では、水族館を辞めた理由は?飼育員を続けるのはなぜ?といったところを聞いてみました!
水族館と動物園って方針やら作業内容やらあまり重ならないイメージなので、なぜ方向転換したのか純粋に気になりました。
飼育員を目指す学生が知りたいことってなんだろう?状態だったので、思い浮かんだ内容を聞いてみた形になっています。
「こんなこと知りたい!」というのがあれば個人的にもお答えしていますので、お待ちしています( ・∇・)
対話の内容は話し言葉でお届けします^^
水族館の飼育員を辞めた理由
私:水族館の待遇が合わなかったとか?
ううん。勤めていた水族館は、ブラック企業ではなかったよ。
上司との関係を上手く構築できなかったのが原因かな!
私:人間関係かぁ。どんな関係だったの?
客観的に見ても、部下に対して攻撃的な一面があったかもしれない。
イルカのトレーナーをやらせてもらっていたんだけど、トレーニングにおいて上司の意向に反していたんだと思う。
だんだん接しにくくなってきて同じ空間にいるとお昼ご飯が食べられなくなってきちゃって。
よくあることだと思って割り切れば良かったんだけど、新卒だった当時はそれが難しかったかな。
私:動物飼育に限らず、合う合わないはどうしてもあるよね。私も人間関係で悩んだことあるから気持ちがわかる。
時間が経ってみて『今だったらこうしてた』とコントロールできそうな気がするのですが、最中にいる間はどうしても余裕がなくなってしまうことがあります。
自分が苦手だなぁと感じている人は、他の人からするとそんなこともない ということがよくあるので・・
変わってもらうことを求めるより自分の考え方を変えた方が一石二鳥かもしれません。
水族館を辞めて後悔したか
後悔はしてないよ!
あの状態のまま続けていたら身体を壊していたと思う。
どんなに好きな仕事でも、身体という軸が崩れてしまっては意味がないよね。
私:心身の健康が一番大事だよね。専門の頃からイルカへの思い入れがとても強かったけど、仕事面に関して心残りはあった?
出産の立ち会い、夜通しのウォッチング、コミュニケーション・・イルカたちの様々な瞬間を目にして、日々感動の連続だったよ。
辞めた今でも彼らがどんなふうに過ごしているのか気になる。
ショーに関しては、正直向いてないと思った。
決められたプログラムに感情移入ができなくて、ショーを楽しむことが難しかったよ。
感情移入関係なしにやり遂げるのがプロなのかもしれないけどね・・。
私:学生時代にみんなの前で発表するのが恥ずかしいと言っていたAが、堂々とショーをやっているのを見て、めちゃめちゃ感動したのを覚えてる。
トレーナーが、ショープログラムに感情移入しているって考えたことなかったなぁ。
水族館の飼育員を目指す就活生に一言
特にショートレーナーを目指す人に向けた言葉になるんだけど・・
トレーニングは、必ず上手くいくことが当たり前ではないからミスした時はやっぱり落ち込む。それはショーの最中でもあり得ること。
でも、お客さんの顔を見たら逃げることはできないよね。気持ちを切り替える方法を見つけておこう!
それとトレーニング中に上司から「どうして今ホイッスル鳴らしたの?」って聞かれることがあったんだけど、自分の考えをはっきり答えられなかった時は自信を無くしていく感覚があった。
トレーニングやイルカに対する考えをしっかり持って仕事に励むことが大事だと思う。
私:きっと上司との関係が上手く構築できていなかったというのも関係してるのかもしれないけど、自分の考えを伝えるって時に勇気がいることあるよね。私がAの立場だったら、どうしていたかなぁ。
上司の人が、Aのトレーニングに対してどう考えていたのかも気になるね。
また、対話のなかで『イルカの方が先輩』という意識を忘れてはいけないとも話していました。
拙いサインを出してしまった時、イルカ自身が意図を汲み取ってくれたそうです。
動物を尊敬する心を持つというのは、素敵な向き合い方ですよね。
動物園で働こうと思った理由
私:動物園の飼育員は、ショーというより教育の方がメインだけどなんで方向転換したの?
ショートレーナーは、お客さんにパフォーマンスを見てもらうことがメインだけど
動物園は、人為的な介入を無しに動物たちの姿を見てもらうよね。ありのままの姿を見てもらうところに惹かれたのが一番の理由だよ!
後者の方針が私に合っていると感じた。
私:どちらが自分に合っているかを選択したんだね。
水族館と動物園の飼育員にはどんな違いがあるのか
私が勤めていた部署では、イルカの能力を引き出すためにトレーニングに重きを置いてたよ。能力が目に見えるとお客さんにも視覚的にイルカの賢さや身体能力が伝わるから、かな。
動物園の場合はトレーニングをして動物の能力を引き出すというより、ありのままの姿を見てもらいたいという意識が強い。
あとは・・トレーニングをしている関係もあると思うけど、水族館はオンオフの切り替えがあったよ。動物園は気持ちが一貫してる!
この質問に対して彼女は少し考えていました。
水族館でも動物園でも飼育管理を全うするという考えのもと動いているので、根っこは変わらないのだと思います。
動物園の飼育員を続けている理由
『好きだから』それに尽きるよ。
好きなことで生活する幸せを知った以上、他の分野に方向転換することは考えられないかな。
動物園の飼育員として働き続けている彼女を尊敬しています。
私は動物飼育を辞めましたが、彼女は過去の経験を活かして今も働き続けています。
『好きだから』と語っていましたがきっとそれだけではありません。
今も働きながら悩ましいことや落ち込む瞬間があるはずですが、全てをひっくるめてやりがいなのだと思います。
まとめ
- 水族スタッフ時代は上司との不一致な関係を割り切ることができなかった
- ショートレーナーは辞めることになったけど、後悔なし
- 心身の健康は大事
- 仕事や動物に対する考えをしっかり持つこと
- 水族館も動物園も動物飼育を全うする根幹は変わらない
- 好きな仕事で生きていくことに幸せを感じる
- いいね!
個人の経験談として、お届けしましたっ
決して全ての施設や人物に当てはまる出来事ではないので、
「水族館って厳しいんだぁ」というよりも
「仕事を円滑に進めるためにも良好な関係を築くことって大事なんだな」と受け取っていただけたらと思います( ・∇・)
番外編
日本は『我慢が美徳』な風潮があります。
人生の1/3を仕事に費やすなら我慢よりも楽しさ、やりがいに注ぎたい。
選択するなら やりたくないことより、やりたいことです。
周りに迷惑をかけない限り自分がどんな考えのもと生きるかは自由ですよね。
だから、人の人生や自身の人生も否定しないっ。
(誹謗中傷が話題になっているので…)
今日の一冊『もっと知りたい動物園と水族館』
『もっと知りたい動物園と水族館』著者:小宮輝之さん
飼育員、園長、館長、獣医師などなど様々な視点から、飼育係の仕事内容を解説。
飼育係になるためには?→人付き合いができなければなりません
とQ&Aがあったり、園長と飼育係の素顔などが丁寧に描かれています。
小学生でも読みやすい構成なので、読書が苦手という方におすすめです。
著者の小宮さんは、多摩動物公園で飼育係をスタート。
のちに上野や多摩の飼育課長を経て、飼育係出としては初めての上野動物園園長を就任された方です。
小宮さんのインタビュー記事を見つけました。
-入園者増がそこまで喜ばしいことではないというのは意外です。
「パンダブームのころのように「立ち止まらないで見てください」という状況は動物園として駄目なんです。ゆっくり観察ができないなら、動物園としてお客さまに失礼です。」
引用:上野経済新聞
「ゆっくり観察ができないなら、動物園としてお客さまに失礼」という考えを持ったことがないので新鮮でした。
歩きながら動物を見ると、見た目やなんとなくの行動しか吸収できない。
観察をするから面白いのですよね(๑・̑◡・̑๑)
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