こんにちは
今回は「動物園のTwitter運用」に関して思うことをビジネス観点で書いていきます。
なぜTwitterかというと、私がチェックしているSNSがTwitterのみだからですw
現代におけるSNSは、商品やサービスを認知するために欠かせないツールです。
しかし、炎上と隣り合わせでもあるので教育要素が強い動物園はSNSの使い方が限られているかもしれませんね。
そんな中でもSNSマーケティングしているなぁと感じる施設の例を参考にTwitter運用を解説していきます。
その前に・・
動物園によって発信スタイルが決まっていると思うので、超勝手なことを書いているというのはご承知おきくださいm(__)m
SNSマーケティングとは
始めに、この先『SNSマーケティング』という単語が出てくるので軽く説明を。
SNSマーケティングとは、SNSを通してサービス・商品の認知やブランディングを高めることを目的としています。
企業と消費者がSNSを通じて情報を発信し合えるので、ダイレクトにコミュニケーションを図ることができるのがSNSマーケティングの強み。
主なプラットフォームは、Twitter Instagram Facebookなど
例えば、スタバがTwitterで新商品「スイカペチーノ」を宣伝したとします。
スタバヘビロテユーザーが、これは飲みたい!という気持ちを込めてリツイートしてくれました。
リツイートをたまたま目にしたフォロワーが「え、うまそう!」と興味が湧きスイカペチーノを買いに行きます。
スタバの新商品「スイカペチーノ」夏に飲みやすいさっぱり系で、美味しかったなぁ!
インスタに載せよっと♪
スタバをあまり利用したことないユーザーでも、フォロワーがツイート・リツイートした「スイカペチーノ」を目にして飲んでみたいと購買意欲が湧いたりします。
消費者が新商品の感想を発信することで、企業はSNSを通して賛否を知ることができますし、美味しければリピーター(ファン化)にもつながります。
SNSマーケティングって企業の商品やサービスを繁盛させるために欠かせない手法のようです。
そして、拡散力が抜群にあるので費用対効果も見込めます。
なんとなく伝わりました?٩( ‘ω’ )و
以下でもビジネスで使われる用語が出てきますが、単語の補足説明を入れています!
動物園のTwitter運用
本題に入ります!
各動物施設のツイートは、同系色のものが多いです。
(例)生態の解説間違ってたらすみません
※こんな感じの〜という例ですよ!
さらに認知を広めて興味を持ってもらうためには↑の方法だとアプローチが少し弱いかもしれません。
どんな工夫をしたらユーザーの目にとまるか?拡散してもらえるか?
私が考える最短の方法は『差別化』です。
以下で具体的な内容を見ていきましょう。
SNSは差別化した方がいい
以前、植物を同定できるようになりたくて、いくつかの植物園をフォローしたことがありました。
画像付きで種名を紹介してくれるし、見ていれば植物を覚えられるかな〜という安易な考えで。。
ですが、どのツイートも流し見だったんですね。
(覚える気がそんなにないところからスタートしているのも影響していますw)
そんなある時フォロワーがリツイートした『やけに植物に詳しい悟空さん』のツイートが流れてきて。
↑のようなツイートをされています。
面白くて過去のツイートも見ちゃいました。
「#オラ草が知りてぇ」とタグをつけてツイートすると悟空が種名を教えてくれるんです。
他にも キノコ・多肉植物など幅広く発信されています。(2021追記:今は発信休憩中のよう)
ちなみに「#オラキノコが知りてぇ」を利用したら種名を教えてくれました。
Twitterって、ただ発信するだけではなくてタグやリプライなどを利用していくと、より効果が出るようです。
なぜ専門化である植物園のツイートより、悟空のツイートに興味を持ったのか分析すると・・
- 言葉遣いが丁寧語ではない→親近感
- 初めて目にしたスタイル→興味
- 植物の知識は確かなもの→信頼
このような背景があったんだろうなと思います٩( ‘ω’ )و
もしも『オラと一緒にキノコ散策するオフ会やっぞ!』って企画があったら、きっと行っちゃいますw
以上を踏まえ、動物園に置き換えてみると
リプライを活用してユーザーとコミュニケーション図っていいと思うし
理系の皆さまは、感情論をバシバシとツイートして良いと思うし。
日本には、固有種・外来種と様々な野生動物が生息しているので「こんな野生動物を見かけました」というユーザーの発信に動物園が反応してくれたら面白そうですよね。
好き勝手言ってごめんなさい
動物園がSNSでファンを獲得するのは難しい?
SNSでファンを獲得するためには、いくつかの段階があると言われています。
- 認知
- 興味
- 信頼
- 行動
大半の動物施設は「①認知」をクリアしているかなと思います。
「②興味」に関しても、ニュース番組で放送されるようなお知らせ(赤ちゃん誕生、干支、可愛い動画など)があると一時的に世間の目を引くことはできます。
「③信頼」からは、ファンになる一歩手前の段階なのでハードルが上がってきます。
「④行動」は、来園する・寄付する・リツイートするなどユーザーが施設に対するアクションを起こすことです。
「③信頼」って何?
アパレルで例えると、
APEのTシャツはいつもイケてるデザインだし、何より生地がしっかりしてる
のような、一定の期待値を保持しているようなイメージ
動物園で例えると・・
@@動物園は動物福祉に力を入れていて、活動報告もしてくれるから今後の動向も追っていきたい
@@さんのツイートはいつも楽しく見ていられる。
みたいな、「好き」「お気に入り」と近い感情からくる信頼 みたいな!
((伝わりますか))
うーん
動物園に訪れたユーザーの大半は「行ってきたよ」という報告系ツイートが多く、動物に関するアウトプットが少ない印象があります。(常連さんのツイートは除いてます)
しかしアウトプットが少ないというのも、動物園に行く目的が『学びたい』ではないからかなぁと個人的には考えています。
YoutubeとかInstagramでも現代寄りな使い方をしたら、注目と関心は集められる気はしているんですけど
そうもいかないですよね〜・・
遊園地じゃないし・・。
教育が絡んでくると、正しい情報を正しく発信することがベターですし。
(正しく発信するの意味としては、教科書のような誤解を招かない文言)
(↑が正しい発信なのかはわからんですけども)
以前勤めていた施設のTwitterフォロワーは、他施設より少なかったけど
日々ツイートしている「いいね」「リツイート」の数は多かったと記憶しています。
そして、寄付の量がSNS開始前より増えていたんですよね。
動物園のツイートを分析してみる
いくつかの動物園アカウントで伸びていたツイートをざっと見た感じでは、
- 飼育員と動物の接触
トレーニング、体重測定など - 赤ちゃん
- 食事風景
- 意外性を感じる写真や動画
仰向けに寝ている、無邪気に遊んでいるなど
このあたりでした。
ちなみに来園者が展示動物を見て「わぁ」と歓声をあげたり、興味津々になったりする場面も↑の内容と同じです。
来園者の反応を参考に、ツイートのテーマを設定するのも良さそう。
私の手元にはアナリティクスのデータがないので、予想になってしまいますが!
※アナリティクス :アクセス解析
以下では桂浜水族館とモンキーセンターのTwitter運用のポイントを少しあげています。
桂浜水族館
桂浜水族館のTwitterは、Wikipediaのような説明文ではなく
感情を込めたツイートが多くみられます。
また、SNSマーケティングにおいてポイントとなる
ユーザーとのコミュニケーション(リプライ)もおこなっています。
動物施設のアカウントは基本的に返信をおこなっていないので、差別化ポイントですねっ。
リプライによってファンの獲得も可能になってきます。
私自身、水族館に疎いもので桂浜水族館を認知していませんでした。
ある時に友人が↑のツイートがとても印象的と言ってスクショを送ってきてくれたんですね。
どこの水族館でもニコニコパワフルなパフォーマンスしか目にしたことないので、ショーの飼育員さんでも人間味溢れる背景があるんだなぁとリアルに実感しました。
それから桂浜水族館のツイートって面白いなぁと思いながら見るように。
友人とは「桂浜水族館に行ってみたいね」とも話しました。
(2021年追記:桂浜水族館行ってきましたよ!)
日本モンキーセンター
シロガオサキのモップくん。
リプライ数やリツイートの伸びを見る限りでは、モップくんファンが増えているように感じます。
(2021年追記:モップくん書籍が発売だそうです!)
こちらも、SNSマーケティングにおいてポイントとなるブランディングがなされています。
※ブランディング:認知度を高め、好感を持ってもらうための取り組み
動物関連外の友人から「モンキーセンターの飼育員さん面白い」「テナガザルが可愛い」という話題が上がったことがあります。
関連外の人から名指しの話題が出ることって結構珍しいんですよね。
話題に出たとしてもシャンシャンとかシャバーニとか!
モンキーセンターも桂浜水族館と同様に、Wikipediaな説明文よりも飼育員目線の内容をメインにツイートされていますよね。
桂浜とモンキーのコメント欄では、ユーザーが飼育員に向けてリプライをしていることもあるみたいです。
あとは実際に施設へ訪れるようになったら、より興味がくすぶられるのでしょうかっ
そうしてリピーターを確保。この循環って、とても重要。
まとめ
- SNSマーケは費用対効果が見込めるし、ファンを獲得できる
- ファン=リピーター だとすれば動物園には欠かせない存在(赤字経営だから)
- ファンを獲得するにはSNSを戦略的に活用すること
- 他施設がやってないような使い方をする(差別化)
→SNSは分析しなければ伸びない - Wikipediaな文章構成よりも感情論を多めに
動物園の来園者は減少傾向にあります。
施設の9割が屋外である動物園は、夏と冬に閑散期が訪れてしまいますよね。
さらには新型コロナの影響によって、外出がハードになりました。
苦しい最中ではありますが、「オンライン◯◯」を活用し始めた企業が多く現れています。
時代の変化に適応する力は常に求められているなぁと実感。
飼育員時代は、来園者にどんな方法で動物のことを伝えようか?ばかり考えていました。
もちろん大事なことですが、来園していない層に動物や動物施設のことを認知してもらう方法に関してとても疎かったです。
そして私が現役飼育員だったらSNSにも重きを置いていただろうなと思います。
読者の中には今後飼育員として働き、SNS更新をする機会があるかもしれません。
SNSを発信する際は多くの人に向けておこなうというより、一人に向けてメッセージを送ってみてください。
一人の人物を想像しながら、内容を練ると
大衆向けな文章→あたたかい文章になるのではないかと思います。
その一人は、実はかなり多くの人たちだったりします。
長めのつぶやき(一緒に考えよう・・)
広報を配置している動物園もありますが、その辺の事情はよくわからないので私が思うことを勝手に綴っています。
動物園のSNSマーケに触れた記事ってほとんど目にしないので、需要がないのかなぁって思いながらこの記事を書きました。
それと「動物園とSNSマーケむずぅ!!」ってめっちゃ思いました。
SNSを発信する時はターゲットを設定します。
ターゲットを設定せずに「この宣伝誰かしらの目に留まれば良いよね!!」だと、拡散効果があまりないというのと流し見されやすいんですよね。これが営利企業だと費用対効果もないしメリットがないです。
ですが↑に関しては、ビジネスを目的としたSNS利用の場合は なので
そもそも動物園とSNSマーケを絡めて考えること自体が間違い?とか思ったり思わなかったり。
だけどなぁ
(動物園も商業施設だからなぁ)
動物施設がSNSをやる目的としては、もちろん来園者増やしたいとか
物販したいとか
動物の情報を発信したいとか
少なからずビジネス利用はしているよなぁ・・。
うぬ。
動物園には4つの役割があって、そのうちの一つが「教育」です。
なので、ビジネスの側面が見えたら駄目なのかなぁ。
とか色々考えた結果ターゲット設定がしにくいなぁと思いました。
私だったら、フォロワーの年代を調査して最も多い年代をターゲットにします。
ターゲット設定が当たったら、別の年代も意識してじわじわ攻めていくかなぁ
RTしてくれる性別を加味するのもいいですね。
施設のマネジメント知識は乏しいので、動物園とSNSマーケを絡めた内容は私にはちょい早かったな・・。
こんなこと言いながら下記では『動物園マネジメント』という書籍を紹介しています。(懺悔)
今回の記事はリライトが必要だなぁ。
今日の一冊『動物園マネジメント』
『動物園マネジメント』
著者:児玉敏一、佐々木利廣、東俊之、山口良雄さんマネジメントとは、日本語訳すると『管理』『経営』という意味です。
エプソン品川、富山市ファミリーパーク、アドベンチャーワールド(その他多数)でおこなってきたマネジメント戦略の実例をもとに、経営の裏側を説いています。
飼育員は飼育業務だけこなせれば、良いというわけではありません。施設の運営方針に基づいて社会的な行動を起こすことが求められつつあります。
ぜひ本書を参考にしながら、動物園マネジメントへの理解を深めてみてください。
私自身も今回の記事を書きながら動物園事業に対する知識が乏しすぎる・・!と痛感したので、読みます。
飼育員のこんな情報が知りたい!というご要望がありましたら、下記のフォームよりリクエストをください。